iPhoneと一眼の映像を混ぜると色が揃わない — LUTを当てる前にやる3つ
メインは一眼、手元はiPhone、空撮はドローン。混ぜて編集すると、同じLUTを当てても色が揃いません。原因は3つに分けられます。形式・露出とホワイトバランス・ルックの当て方の順で揃える方法。
先に結論:「同じLUTを全部に当てる」では揃いません
色が揃わない原因は、たいてい次の3つが重なっています。
- 形式が違う … 一眼はLOG、iPhoneはHDR、ドローンは普通の映像、のように、入り口の物差しがばらばら
- 露出とホワイトバランスが違う … 同じ場所でも、カメラごとに明るさと白の基準がずれている
- ルックを当てる段で辻褄を合わせようとしている
揃える順番は、この番号のとおりです。3から手をつけると、いつまでも揃いません。
1. 形式を「普通の映像」に揃える
LUTは入力の形式を決めて作られています。形式の違う映像に同じLUTを当てると、 出口の色もばらばらになります。まず全部のカットを、同じ物差し(普通の映像 = Rec.709)に揃えます。
| 素材 | やること |
|---|---|
| 一眼のLOG(S-Log3 など) | そのカメラのLOGから普通の映像への変換を入れる |
| iPhoneのHDRビデオ | HDRから普通の映像への変換を入れる(詳しくはこの記事) |
| iPhoneの Apple Log | Apple Log から普通の映像への変換を入れる |
| ドローンの初期設定のまま(カラーがノーマル) | 多くはすでに普通の映像。何もしない |
これからの撮影で揃えやすくするなら、撮る段階で形式を減らすのがいちばん効きます。 たとえば、SNS用の短い動画ならiPhoneはHDRビデオをオフにしておく、などです。
2. 露出とホワイトバランスを、基準のカットに合わせる
形式を揃えたら、基準のカットを1本決めます。いちばん長く映る・いちばん大事な人が映っているカットが向いています。 残りのカットは、その1本に合わせます。
- 白いもの・灰色のものを見る … 壁・紙・シャツ・曇り空。これが同じ色に見えればホワイトバランスは合っています
- 肌を見る … 同じ人が映っているなら、肌の明るさと赤みを揃える
- 暗いところを見る … 黒の沈み方がカットごとに違うと、ルックを当てたときに差が開きます
ここで合わせるのはLUTの前です。LUTは入力のずれを増幅するので、 後ろで合わせようとすると、ルックの色ごと崩すことになります。
3. ルックは最後に、全カット同じものを
1と2が終わっていれば、ルックは全カットに同じものを当てるだけで揃います。 カットごとにLUTの種類や強さを変え始めたら、1か2に戻る合図です。
LOGのLUTを使う場合のコツ
「LOGからの変換」と「ルック」が1本に入ったLUTを使う場合は、1と3が同時に済みます。 このときは、カメラごとに、同じルックの別形式版を当てます。
IROZORA の SIGNATURE と vol. シリーズの LUT は、同じルックを7つの形式(普通の映像・S-Log3・D-Log・C-Log3・V-Log・F-Log2・Apple Log)で揃えてあります。
- 一眼の S-Log3 のカット …
02_Sony_S-Log3の中の、使うルック - iPhone の Apple Log のカット …
07_Apple_Log_iPhoneの中の、同じ名前のルック(Apple Log 2 には使えません) - ドローンの普通の映像のカット …
01_Rec709_normalの中の、同じ名前のルック
ファイル名は IROZORA_01_WEAK_SLog3.cube・IROZORA_01_WEAK_AppleLog.cube のように、末尾の形式だけが違います。
フォルダだけ替えて、ルックの名前は変えない。これで、カメラが違っても同じ仕上がりを狙えます。
ただし2の露出とホワイトバランスは、どのLUTを使っても省けません。
揃ったかどうかの確かめ方
- カットを1つおきに並べて、小さい画面で続けて再生する。違和感は小さい画面の方が分かります
- 一度LUTをオフにして、1と2の段階で揃っているかを見る。LUTを外して揃っていなければ、LUTを当てても揃いません
このページに関係する素材
SIGNATURE — 制作者が実際に使っている1本
IROZORAを作っている本人が、自分の映像案件でいちばん使っているLUT。新しく作ったものではなく、普段のファイルをそのまま出しています。