DaVinci Resolve で LOG の素材を Rec.709 にする — LUT・Color Space Transform・色管理の3つ
DaVinci Resolve で LOG の素材を Rec.709 にする方法を、Blackmagic Design の公式マニュアル(DaVinci Resolve 21)で確かめてまとめました。LUT をノードに当てる、Color Space Transform、Resolve Color Management の3つと、無償版の注意。
対象: DaVinci Resolve 21 の英語版マニュアル(引用した節は 20 と同じ文面)。日本語版のリファレンスマニュアルは確認できなかったため、メニュー名は英語のまま書いています。
先に結論:方法は3つ
マニュアルは、LOG の素材を整える方法として、次の3つを挙げています。
- LUT をノードに当てる … 素材の種類ごとの LUT を当てる、昔からのやり方
- Color Space Transform(Resolve FX)… 入力と出力の色空間を指定して、計算で変換する
- Resolve Color Management(RCM) … プロジェクトの設定で、LOG の素材を自動で Rec.709 にそろえる
マニュアルには「log-encoded media … the picture is initially flat and unsuitable for use without grading」(LOG の素材は最初は平坦で、そのままでは使えない)とあります。
方法1:LUT をノードに当てる
- Color ページで、LUT を当てたいノードを右クリックします。
- LUT のサブメニュー(3D LUT など)から LUT を選びます。一覧に出るのは、インストールしてある LUT です(一覧に出ないとき)。
- または、Color ページ上部の UI Toolbar の LUT Browser を開き、LUT を右クリックして Apply LUT to current node を選ぶか、ノードへドラッグします。
- ノードに当てた LUT は、そのノードの中で最後にかかります。
- LUT で明るいところが飛ぶときは、同じノードの Contrast の操作で LUT の前にハイライトを下げれば戻せる、とマニュアルにあります。
- クリップ(素材)に直接当てることもできますが、マニュアルは「For most workflows, it's better to apply LUTs directly in the Node Editor」としています。
- ノードの効き具合は、Key パレットの Key Output の Gain(既定 1.00、0 で効果なし)で変えられます。これはノード全体の効き具合の説明で、LUT を名指しした説明ではありません。
方法2:Color Space Transform
マニュアルの説明は「LUT と同じ種類の変換を、表ではなく RCM と同じ計算で行い、切り捨て(クリッピング)の無いきれいな変換をする」です。 Resolve Color Management を有効にしなくても使えます。
- エフェクトの一覧(マニュアルの表記は Effects Library または Open FX Library)を開き、Color Space Transform をノードへドラッグします。
- Input Colorspace・Input Gamma に撮った形式を、Output Colorspace・Output Gamma に出したい形式(Rec.709 など)を選びます。
- 必要なら Tone Mapping Method を選びます(None/Clip/Simple/Luminance Mapping/DaVinci/Saturation Preserving)。DaVinci は「広い色域のカメラの素材や、違うカメラの素材を混ぜるときによい設定」と説明されています。
方法3:Resolve Color Management(RCM)
- 「ファイル」メニューからプロジェクト設定(Project Settings)を開き、カラーマネージメント(Color Management)をクリックします。
- Color Science を DaVinci YRGB Color Managed にします。
- Automatic Color Management を使う場合は、Color Processing Mode で SDR を選び、書き出しの色空間(Output)を選びます。既定のプリセットは「SDR Rec.709」です。
- 入力の色空間が合っていないクリップは、Media Pool で右クリックして Input Color Space(必要なら Input Gamma)を選びます。
マニュアルには、入力の色空間を指定すると「each log-encoded clip is automatically normalized to the default Timeline Color Space of Rec. 709 Gamma 2.4」とあります。 また、方式を決めてグレーディングしたら途中で変えないように、とも書かれています。
LUT と、ほかの2つの違い
マニュアルには「LUTs clip image detail that goes outside of the numeric range they're designed to handle」とあり、LUT は範囲の外のデータを切り捨てます。RCM と Color Space Transform は、その切り捨てが無い方式として説明されています。
無償版で気をつけること
公式サイトの説明は、無償版が「60fpsまでのほぼすべての8-bitフォーマットおよびUltra HD 3840x2160までの解像度に対応」、Studio 版が「120fpsまでの10-bitビデオおよび4Kを超える解像度をサポート」です。 LOG の素材は 10-bit で撮ることが多いので、自分の素材が無償版で扱えるかを先に確かめてください。 マニュアルの Color Space Transform の見出しには、Studio 版だけの機能に付く「(Studio Version Only)」の印はありません。
IROZORA の LUT を使うとき(作った側としての説明)
- 方法1で使う場合: カメラ名のフォルダ(
02_Sony_S-Log3など)の LUT を1本だけ当てます。LOG からの変換と色づけが1本に入っています。 - RCM や Color Space Transform で Rec.709 にしている場合: カメラ名のフォルダの LUT は使わず、Rec.709 の映像用の
01_Rec709_normalを使います。カメラ名のフォルダの LUT を重ねると、変換が二重になります。
公式資料で確かめられなかったこと
- LUT の強さを変える方法を、LUT を名指しして説明した文(書いてあるのはノードの効き具合まで)
- 無償版で LUT・Color Space Transform・RCM が使えると明記した文(Studio 限定の印が無いことだけ確かめました)
- 「無償版では 10-bit の LOG の素材が読めない」と言い切った文
- カメラごとに Input Colorspace・Input Gamma で何を選ぶか
- 日本語表示にしたときのメニュー名
ここに挙げたことは、手順として書いていません。
確かめた公式資料
このページの手順と数値は、下の資料の記述で確かめてから書いています。ソフトの版が上がると画面の表記や場所が変わることがあります。違っていた場合は公式資料のほうを正としてください。
- Blackmagic Design「DaVinci Resolve 21 Reference Manual(July 2026)」(2026年9月29日 に確認)
- Blackmagic Design「DaVinci Resolve 20 Reference Manual(July 2025・照合用)」(2026年9月29日 に確認)
- Blackmagic Design「DaVinci Resolve 製品ページ」(2026年9月30日 に確認)
- Blackmagic Design「DaVinci Resolve カラー 製品ページ」(2026年9月29日 に確認)
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