環境音のループの継ぎ目が気になる — 原因と、直っているかの確かめ方
環境音を繰り返して敷くと、一定の間隔で「プツッ」と鳴ったり、同じ音の並びが聞こえて不自然になります。原因は2つあり、どちらも自分の手元で確かめられます。
症状は2種類あります
環境音(雨・風・波・焚き火)を尺に合わせて繰り返すと、こうなることがあります。 原因が違うので、分けて考えてください。
- 「プツッ」と鳴る … 波形の段差です。ファイルの終わりと始まりで 音の波の高さが違うと、そこで不連続が起きます。これは音として聞こえます
- 同じ並びが聞こえる … 段差はないのに「あ、いま戻った」と分かる。 特徴のある音(強い風のうねり、鳥の声)が同じ間隔で出てくるためです。 これは模様として聞こえます
「プツッ」の直し方
編集ソフト側でできます。各ループの先頭と末尾に、ごく短いフェード (5〜20ミリ秒)をかけてください。段差をゼロに寄せるだけなので、 これ以上長くすると今度は音量が波打って聞こえます。
ただし本来は素材の側で解決しているべきです。 毎回フェードを置くのは手間ですし、詰めて並べたい場合に隙間ができます。
「同じ並び」の直し方は無い
これは編集ソフトでは直りません。素材の作り方の問題です。
録音した環境音は、その30秒なり1分なりの中で必ず「事件」が起きています。 風が一度強くなる、波が一度大きい、焚き火が一度はぜる。 繰り返すとその事件が等間隔で起き、人はそこに周期を見つけてしまいます。 人間は周期の検出が異常に得意なので、一度気づくともう戻れません。
対策は「事件を作らない」ことです。全体を通して統計的に同じ密度・同じ揺れ幅で、 どこを切り取っても同じに聞こえる音にする。録音では非常に難しく、 合成の方が向いている領域です。
買う前・使う前に確かめる方法
耳で判断すると、その日の集中力に左右されます。機械的に確かめられます。
- 波形の端を見る。 編集ソフトで最大まで拡大して、 ファイルの末尾の最後の点と、先頭の最初の点の高さを比べます。 ここが揃っていれば「プツッ」は起きません
- 継ぎ目と、曲中を比べる。 ここが本質です。 継ぎ目の段差が曲の途中で普通に起きている段差より小さければ、 継ぎ目は「普通の音の変化」に埋もれます。 ゼロである必要はなく、周囲より小さければ聞こえません
- 2回つなげて、目を閉じて聞く。 どこで戻ったか当てられなければ合格です
IROZORAの環境音の場合
環境音18本すべてを、上の2番の基準で実測しています。
| 測ったもの | 結果 |
|---|---|
| 継ぎ目の段差(18本の平均) | 0.0039 |
| 曲中で普通に起きる段差の最大(同平均) | 0.0183 |
| 継ぎ目のほうが大きいファイル | 0本 |
数値は −1.0〜+1.0 の振幅です。継ぎ目の段差は、曲中で普通に起きている 変化の約5分の1で、18本とも例外がありません。フェードを置かずに そのまま詰めて並べられます。
「同じ並び」の方も、録音ではなく数式から合成して作っています。 特徴的な事件を含まないので、どこを切り取っても同じ密度で鳴ります。 各30秒で、繰り返しても周期が出ません。